相手の自由を尊重するとはどういうことか

相手の自由を尊重するとはどういうことか


こんばんは。坂口です。

 

私が昔、再就職をし、

新人として働いていたころのある日。

 

患者さんのAさんに

清拭をする予定がありました。

 

Aさんは、めまいの急性期から脱して

やっと、自分で起き上がれるようになり、

坐位保持もでき、食事も自力摂取が

できる位まで回復しました。

 

私は、その日、Aさんの担当看護師

でしたので、清拭タオルをAさんの部屋に

持っていき、Aさんと相談をしました。

 

するとAさんは、「背中は自分では

拭けないので、介助をお願いしたい。

他は私、自分でできるから」という

意向を笑顔で私に言いました。

 

しかし、まだ、動けるようになって

間もないこともあり、背中以外の

部分についても、私が介助させて

いただいた方が良いのではないかと思い、

提案をしました。

 

ですが、女性の羞恥心という意味も含め、

本人のADLの状況などから考えると、

本人の意思を尊重するのが妥当だと考え、

私は背部の清拭を介助し、残りは、

当初の相談通り、Aさん自身が行うことになりました。


 

もしも、自分で清拭をしてみて、

疲労やめまいが強くなれば、

いつでも私が介助をすることを伝え、

私はAさんの部屋を後にしました。


 

そして、ナースステーションに戻り、

記録を書いていると、突然、先輩の

Bさんが現れました。

 

Bさんは私に「Aさんの清拭って、

終わったの?」と聞いてきたので、

「今、本人にやってもらっています」

と答えたところ、Bさんの表情は

みるみる変わり、物凄い剣幕で

私にこう言いました。

 

「Aさん、めまいがある人でしょ?!

まだ動けるようになって間もないのに、

どうしてAさんに1人で清拭をさせるの?!」

 

私は正直、とても面食らったことを

覚えています。

 

「私、さっき、Aさんと相談をして・・・」


 

そう言い終わるや否かのうちに、

BさんはAさんの病室に行き、

大きな声で


「Aさ~ん。ごめんなさいね~!

1人で身体を拭かせちゃって~。

私がお手伝いさせていただきます

からね~」


と言いながら、Aさんの清拭の

介助をしているのを私は廊下で

聞きながら、酷く屈辱的な思いで

一杯だったことを覚えています。

 

もしかしたら本当は、Aさんは

私に清拭をしてもらいたかったのかも

知れない。

 

だとしたら、先輩のBさんの行動は、

Aさんの「真の思い」を汲み取ったと

いうことにもなるのでしょう。

 

しかし、本当のところどうだったかは、

Aさんにしかわかりません。


 

どこまでが、「自立を促すこと」で、

どこまでが「介助が必要なこと」なのか。


 

このような場面に遭遇したことのある方は、

決して私だけではないと思います。

 

しかし、ここで考えておく必要があること。


それは、今回の清拭の件は、

受け持ちである私と、Aさんの関係性の中で

折り合いのついた話であったということです。


 

たとえAさんが、本当は私に遠慮して

えなかったとしても、事実は「Aさんが、

自分でできる部分は自分でやることを

選択した」ということなのです。


 

もしも私が、Bさんだったらという

前提の視点で、この状況を

振り返ったとき。

 

私は、指導者というのは心のどこかに

「自分のやり方だけが正しいとは思わない」

という視点が必要だと思います。

 

人との関係性だって、1+1=2というように、

決まっているものでもなく、

もっと数多くの方法があり、

そこの部分が広義で考えると

「自由を生かす」「創造性を生かす」。


 

そして、相手の思いを

尊重することだと思うのです。


 

自分は「X」という方法で、今まで

やってきた。

 

でも、後輩は「Y」という方法をやっている。

 

だとしたときに、自分とやり方が違う

というだけで「Y」という方法を

否定することは、相手の考え方を

尊重していることにはなりません。


 

私はそんなとき、

「Xという方法が正しいと思っていたけれど、

逆にYという方法ではいけない

理由は何だろうか」と自分に問いかけます。


 

すると、「・・・別にいいのか・・・Yの方法でも」

という「ゆとり」や「自由」な部分が

生まれることが、とても多くあります。

 

自分の考え方が間違っている、正しい。

ではなく、相手の考え方、やり方に、

何か大きな問題は果たして本当に

あるのだろうか。という視点を

持ち続けることが

大切ではないかと思っています。

 

2年目以上の看護師さんの仕事・人間関係の悩みを解決

2年目以上の看護師さん専用「仕事の悩みを解決する方法」


誰も教えてくれない「看護教育の方法」をお伝えします

これだけは覚えておきたいプリセプターのための看護教育7つの心得

新人看護師さんの仕事・人間関係の悩みを解決

「仕事がつらい新人看護師さんの悩みがすっと楽になる方法」

新人看護師さん必見!

これだけは知っておきたい『新人看護師さんの7つの心得』